twitterは、自社の製品やサービスなどをPRするのに有効なSNSです。
twitterでPRをすれば不特定多数のユーザーに認識され、気に入ってくれたらファンになってもらえる可能性があるからです。
しかし、ファンを獲得するには、PRツイートを工夫しなければなりません。
twitterを活用して製品やサービスのファンを増やして売り上げを伸ばすには、「エンゲージメント」を気にする必要があります。
本記事ではtwitterのエンゲージメントとは何かを説明し、併せてtwitterでファンを獲得するためのツイートのコツをお教えしましょう。
※本記事のスクリーンショットや公式ヘルプページ情報は、2019年2月時点のものです。今後のアップデートにより、画面が異なる可能性があります。
まず、「エンゲージメント」という言葉の意味から説明しましょう。
エンゲージメントは、マーケティング用語の1つです。
たとえば、私たちがメディア(雑誌やWebサイトなど)に掲載されている企業や商品の広告を見て「いいな!」と思い、その商品を購入したり、企業に問い合わせをしたりしたことを通してファンになったとしましょう。
「商品や企業のファンになった」ということは、「商品や企業への愛着を持った」ということを意味します。
商品や企業とつながりを持って生まれた愛着の度合いが、エンゲージメントです。
最近はSNSの普及によって企業とユーザーがコミュニケーションを取りやすくなったことから、このエンゲージメントに注目する企業が増えてきているようです。
では、twitterにおけるエンゲージメントとはどのようなものなのでしょうか?
twitterにおけるエンゲージメントは、「ツイートに対するユーザーのアクションを示す指標」と定義づけられています。
こちらが投稿したツイートに対してユーザーが共感や好感を覚えたときに行った返信やいいね、リツイートといったアクションがどのくらいあったのかが分かるのが、twitterのエンゲージメントになります。
twitterのエンゲージメントを活用すると、主に次の2つのメリットを得られます。
2-1. ツイートへの関心度合いが分かる
twitterのエンゲージメントは、ツイートごとにユーザーがどのくらいアクションしてくれたのかが数値化されます。
【例:「今日から仕事始め」というツイートのエンゲージメント】
※各ツイートのエンゲージメントを確認する方法は、<3. twitterのエンゲージメントを確認する方法>で説明します。
つまり、エンゲージメントを見れば、投稿したツイートへの関心度が具体的に分かるのです。
いいねやリツイートなど、それぞれのアクション数が多いほど、そのツイートに共感・好感を持ったユーザーが多いということになります。
特にリツイートの数が多いと、その分twitterに拡散されていることを意味するので、多くのユーザーに認識してもらっていることになります。
また、ツイートにいいねをすると、いいねをしたユーザーのフォロワーに「○○さんがこのツイートにいいねしました」という旨が伝わります。
そのユーザーのフォロワー数が多いほど拡散力があるといえますし、同時に認知度も高まっているともいえるのです。
2-2. 宣伝効果のあるツイートを分析できる
twitterのエンゲージメントを活用すると、宣伝効果のあるツイートを分析できます。
アクション数が多いツイート=ユーザーの共感・好感を多く得られたツイートです。
PRツイートの結果として商品の売り上げが伸びたり、サービスの認知度が高まって問い合わせが増えたりしたら、そのPRツイートは宣伝効果のあったツイートといえますよね。
アクション数が多かったツイートを分析すれば、「宣伝効果をもたらすには、次回どのようにツイートすればいいか」という施策を練られます。
twitterのエンゲージメントは、投稿したツイートごとに「ツイートアクティビティ(ツイートに対するユーザーやフォロワーのアクションを把握できるところ)」という項目から見られます。
ここでは、twitterのスマホアプリとPCブラウザを使ったエンゲージメントの確認方法を説明しましょう。
3-1. スマホアプリの場合
1. 所有アカウントのアイコン、もしくは「プロフィール」をタップして、所有のアカウントページに移動します。
2. 各ツイートのエンゲージメントは、ツイート内にある(ツイートアクティビティのアイコン)で確認できます。タップしましょう。
3. 対象ツイートのツイートアクティビティが表示されます。
ツイートアクティビティでは、インプレッション(twitterユーザーが対象ツイートを見た回数)とエンゲージメントを確認できます。
デフォルトでは、ユーザーのアクション(いいねやリツイートなど)の総数が「エンゲージメント総数」として表示されています。
いいねやリツイートなど各アクション数の詳細を確認するには、「すべてのエンゲージメントを表示」をタップします。
4. 「すべてのエンゲージメントを表示」をタップするとエンゲージメント総数が展開され、各アクションの数を確認できるようになります。
【補足】
●展開したエンゲージメント総数は、そのツイートに対して反応のあったアクションだけが表示されます。
上記のスクリーンショットにある「今日から仕事始め」ツイートの場合、反応があったのは次の4つだったので、これらのアクションしか表示されていません。
- 詳細のクリック数(ユーザーがツイートをタップ/クリックして閲覧した数)
- 返信
- リツイート
- いいね
●エンゲージメントは、同じユーザーが同じツイートに対して反応をした場合はカウントされません。
●エンゲージメントで、ユーザーの属性(ユーザー名や年齢など)は特定できません。
●エンゲージメントは、自分のアクションもカウントされます。
たとえば、投稿したツイートへの返信を見るためにツイートをタップ/クリックをすると、「詳細のクリック数」にカウントされます。
3-2. PCブラウザの場合
1. 画面左にある所有アカウントのアイコン、もしくは画面右にある所有アカウントのアイコンをクリックして表示される「プロフィール」をクリックします。
2. 所有アカウントページへ移動したら、エンゲージメントを見たいツイート内にある(ツイートアクティビティのアイコン)をクリックしましょう。
3. 対象ツイートのエンゲージメントが表示されます。
PCブラウザの場合は、をクリックした時点でエンゲージメント総数が展開され、各アクション数の詳細を見ることができます。
4. ユーザーの愛着度合いの推移は「エンゲージメント率」で分かる
ツイートを投稿した時点で、いいねやリツイートなど色々なアクションがあれば、エンゲージメント総数も伸びます。
しかし、ツイートをした時点で反応が良くても、その後時間が経っても反応が続かなければ意味がありません。
なぜなら、ユーザーとの結びつきを維持する=ファンを長く続けてもらうことで、長期間に渡って製品やサービスの売り上げを伸ばせるからです。
投稿したツイートに対してtwitterユーザーの反応が良くなっているか、もしくは鈍くなっているかは「エンゲージメント率」を見れば分かります。
エンゲージメント率は、各アクション(いいねやリツイートなど)のエンゲージメントの数÷インプレッションの合計数で算出されます。
twitterでのエンゲージメント率の高さをキープできていれば、製品やサービスに対するtwitterユーザーの共感・好感度も維持できており、ファンも長く続けてもらえるでしょう。
エンゲージメント率の確認方法
投稿したツイートのエンゲージメント率は、twitterの「アナリティクス」という機能で知ることができます。
twitterのアナリティクスはビジネス用の機能で、PCのブラウザで使用できます。ツイートへのアクションだけでなく、フォロワーの属性を把握できたり、広告を出せたりするのが特徴です。
※ここではアナリティクスの説明は割愛します。詳しい機能を知りたい場合は、TENJUKU掲載の「あなたのツイート丸わかり!Twitterアナリティクスの使い方」をご覧ください。
twitterのアナリティクスでは、特定の日や特定の期間に投稿したツイートのエンゲージメント率を見ることができます。
1. 所有のアカウントページ右にあるアイコンをクリックして表示されるメニューから「アナリティクス」をクリックします。
2. twitterのアナリティクスが有効になっていない場合は、以下の画面が表示されます。
エンゲージメント率を見るために、「アナリティクスを有効にする」をクリックしましょう。
3. 現在ログインしているアカウントのtwitterのアナリティクスが表示されます。
ツイートのエンゲージメント率を見るには、画面上の「ツイート」をクリックします。
4. アナリティクス画面の「ツイート」をクリックすると、過去28日間のツイートアクティビティの平均数(デフォルト)が表示されます。
デフォルトの過去28日間の平均エンゲージメント率は、画面右で確認できます。
上記の平均エンゲージメント率は、過去28日間の平均エンゲージメント率の推移が折れ線グラフで表示されます。
過去28日間でどの時期にアクションが多かったのか、もしくは少なかったのかが視覚的に分かります。
【補足】
エンゲージメント率は、日によって変動します。
5. 特定の日や特定の期間に投稿したツイートのエンゲージメント率を見るには、アナリティクスのツイートアクティビティ画面にあるカレンダー表示ボタンから、該当日や期間を指定します。
カレンダー表示ボタンは、デフォルトで「過去28日間」になっています。
「過去28日間」をクリックしたら、エンゲージメント率を見たいツイートを投稿した日付や期間を指定し、「更新」をクリックしましょう。
6. 特定日や期間を指定すると、その日や期間に投稿されたツイートとインプレッション、エンゲージメントと共にエンゲージメント率が表示されます。
各ツイートをクリックすると、エンゲージメントの内訳を確認できます。
【例:ツイート”A happy new year!!” のエンゲージメントの内訳】
ツイートのエンゲージメント率を高めることで、twitterユーザーファンによる商品やサービスへの愛着度を維持できます。
では、どのようにツイートをすればエンゲージメント率を高められるのか、ここではそのコツを5つ説明しましょう。
5-1. 最低でも1日1回、最大4回はツイートする
エンゲージメント率を高めるには、最低でも1日1回、最大でも4回はツイートしましょう。
twitterユーザーの中には、フォローしているアカウントが多い人もいます。
フォロー中のアカウントが多いユーザーの目に留まりやすくするためには、毎日ツイートをすることが大切です。
5-2. ツイートは100文字以内にする
オランダのアムステルダムを拠点するWebメディア企業・The Next Webでは、「投稿するツイートを100文字以内にするとエンゲージメント率が17%上がる」という結果を公表しています。
また、リンク付きツイートの場合は、120-130文字以内に収めるとエンゲージメント率を高められるとも言及しています。
長い文章のツイートをするより簡潔でわかりやすいツイートをしたほうが、ユーザーの関心を惹きやすいということですね。
この100~130文字以内のツイートがキャッチーかつインパクトのある内容であれば、より一層ユーザーのアクションを掻き立てることができるでしょう。
参考元:10 surprising new Twitter stats to help you reach more followers
5-3. ハッシュタグを活用する
Twitterが発信しているビジネス向けガイド・Twitter for Businessでは、「ツイートにハッシュタグを入れたらエンゲージメント率が高まった」という、アイルランドのファッションWebサイト・iCLOTHING事例が紹介されています。
iCLOTHINGは、ハッシュタグ#iWant(#ほしい)と#iWear(#着てみた)を中心とした、2つのツイートエンゲージメントキャンペーンを作りました。#iWantでは、ユーザーは有名人の服装の写真をツイートし、iCLOTHINGはそれに対応するツイートで、自社ショップの同じような商品を紹介します。#iWearでは、ユーザーがiCLOTHINGの商品を身に着けた自分の写真を投稿します。これらのハッシュタグは、ユーザーとの活発な会話のきっかけとなり、iCLOTHINGはユーザーの優れたツイートを自社のTwitterアカウントですぐに紹介できました。
引用元:ツイートエンゲージメントキャンペーンで成功した実例 – iCLOTHING
iCLOTHINGでは、上記の引用に記載されている通り、ツイートにハッシュタグを入れたことでユーザーとのコミュニケーションが活性化し、その結果エンゲージメント率を最大25%も上げることに成功したそうです。
また、<5-2. ツイートは100文字以内にする>で取り上げたThe Next Webは、1ツイートにつき1つもしくは2つハッシュタグを入れてツイートすると、エンゲージメント率が約21%に伸びるとの結果も発表しています。
ハッシュタグというのは、ハッシュタグの記号#+文字(日本語・英語・数字)で構成される文字列のことです(例:#twitter/#ツイッター)。
ツイートの中にハッシュタグを入れる理由の1つに、ツイートの認知度を高めることが挙げられます。
ある単語を用いてツイートを検索したときに、その単語がハッシュタグとしてツイートに入っていれば検索結果に表示されます。
検索結果にツイートが表示されれば、同じような関心事を持つユーザーの目に留まりやすくなり、そこからコミュニケーションが生まれてファンになってもらいやすくなるのですね。
このため、ツイートにはハッシュタグを入れて投稿するようにしてみましょう。
ただし、意味のないハッシュタグを入れないように注意してください。
投稿内容との関連性の低いハッシュタグを入れると、エンゲージメント率が下がります。
また、The Next Webでは、3つ以上のハッシュタグはエンゲージメント率を低下させる場合もあると言及しています。
エンゲージメント率を高めたいのであれば、次のようなハッシュタグを3つまでに抑えるのが良いといえますね。
- 投稿内容と関連性のあるハッシュタグ
- 投稿数が多いハッシュタグ
- トレンドになっているハッシュタグ
参考元:10 surprising new Twitter stats to help you reach more followers
5-4. 共感を得られる画像を使う
<5-3. ハッシュタグを活用する>で取り上げたiCLOTHINGでは、ユーザーの共感を得られる画像をツイートに入れたことでもエンゲージメント率を高められたそうです。
iCLOTHINGは、ツイートエンゲージメントキャンペーンで様々な種類の写真を使い、プロモツイートのパフォーマンスを注意深くチェックしました。このテストを通じて、プロモツイートに当初使っていたようなプロのブロガーやモデルの写真よりも、リアルな「日常生活」を感じさせる写真の方が、はるかに高いエンゲージメント率を得られることがわかりました。こういった写真のパフォーマンスが高いことが明らかになると、キャンペーン全体でこうした写真がすぐに使われるようになりました。
引用元:ツイートエンゲージメントキャンペーンで成功した実例 – iCLOTHING
iCLOTHINGの成功事例から分かることは、「商品やサービスのPRツイートをしてユーザーの心をつかんでファンになってもらうには、その製品やサービスの活用シーンをイメージしやすい画像を使うべき」ということです。
画像自体が目を惹きつける効果を持っています。そうした画像の効果を活かすためにも、ユーザーに寄り添った画像を入れるのがベストといえるのです。
なお、ツイートに入れる画像は縦360×横640ピクセルのサイズにすると、スマホとPCのブラウザの両方で見栄え良くなります。
5-5. ユーザーと積極的にコミュニケーションをとる
ユーザーやフォロワーとのコミュニケーションを積極的にとることも、エンゲージメント率を高めるポイントです。
こちらも、Twitter for Businessにて成功事例が取り上げられています。
ユーザーとの積極的なコミュニケーションでエンゲージメント率を最大23%も上げられたのは、ロンドンにあるレストラン・Poncho8です。
タイムリーかつフレンドリーな方法でユーザーと交流します。Poncho8は、Twitterでユーザーひとりひとりに丁寧に対応することで、お客様の関心を引きました。
引用元:ツイートエンゲージメントキャンペーンで成功した実例 – Poncho8
具体的にどのようなコミュニケーションがエンゲージメント率を高めるのに有効かというと、
- ユーザーがツイートにくれたコメントに対して返信をする
- ユーザーがツイートにくれたコメントに対していいねをする
- ユーザーが投稿したツイートに対するアクション(いいねやリツイート)に対してお礼する
などが挙げられます。
コミュニケーションを取るときにポイントとなるのが、ユーザーがアクションをしてくれたら、こちらもすぐに反応をすることです。
すばやく反応することで、ユーザーが身近に感じてくれて距離も縮まり、ファンになってくれる可能性が高まるからです。
ユーザーの全てのアクションに反応することは難しいですし、する必要はありませんが、積極的にコミュニケーションを取る姿勢は常に心掛けると良いでしょう。
まとめ
twitterのエンゲージメントというのは、ツイートへのアクションを示す指標のことです。
エンゲージメントを活用すれば、商品やサービスを効果的に宣伝でき、ファン増加へつなげられます。
ただ、ファンに商品やサービスへの愛着度をキープしてもらうには、一時的にエンゲージメントを増やすのではなく、長期間エンゲージメントを高く保つことが大切です。
そして、twitterユーザーとのつながりが強くなったか、もしくは弱くなったかは、エンゲージメント率を見れば分かります。
エンゲージメント率を高めるツイートをし続けることで、ファンを維持できるでしょう。
twitterのエンゲージメントを活用して、製品やサービスのファン獲得と売り上げアップへつなげてみませんか?