スマートフォンの普及により、TwitterやFacebook、Instagramなど個人が情報を発信できるSNSも広く浸透しました。それに伴い、SNS広告を使って自社の商品やサービスを広める手法も一般的になっています。
SNS広告とは何か、またSNS広告を使うメリットやターゲットに向けて効果的にリーチする運用方法などについて詳しく紹介します。
SNS広告とは
SNS広告とは、Twitter・Instagram・Facebook・LINEなどのSNSで配信できる広告のことを言います。インターネットやスマートフォンが普及し、SNSの利用者は増えています。またコロナの影響により自宅で過ごす機会が増えたため、従来よりもさらにSNSを利用する時間が長くなった人も多いでしょう。
SNS広告は、テキストやバナーの他に動画やカルーセルなどをタイムラインやストーリーズ、おすすめのアカウントなどに表示させることにより、人々に商品やサービスを知ってもらう方法です。
SNS広告は運用型広告と呼ばれ、ターゲットやクリエイティブ、予算、配信フォーマットなどを随時改善しながら広告効果を上げることができます。
SNS広告のメリット
Web広告は、リスティング広告、ディスプレイ広告、リターゲティング広告、ネイティブ広告、アフィリエイト広告、動画広告、リワード広告などさまざまあります。
リスティング広告はSNS広告と同じ運用型の広告ですが、ターゲットや訴求方法が異なります。リスティング広告は検索結果に表示され、ユーザーは自身の興味があることや知りたい情報を検索したときにその広告に触れます。そのため、顕在層に向けたアプローチができる方法といえるでしょう。
一方SNS広告は、ユーザーのタイムラインに広告を表示させます。普段何気なくSNSを利用している潜在的なユーザーに対して自然な形で働きかけられるのがSNS広告の特徴です。具体的なメリットを詳しく見ていきましょう。
精度の高いターゲティング設定ができる
SNS広告では、精度の高いターゲティングができます。SNSを利用する際に、ユーザーは性別や年齢、勤務先、役職、学歴、趣味などの個人情報を登録しアカウントを作成します。
ユーザー自身が入力した個人情報とユーザーがSNSを通じてシェアした記事や再生した動画、「いいね」などの行動履歴を分析すれば、詳細なターゲティングができます。例えば、30代のフルタイムで働く女性、都内に住む20代の男性でIT企業への転職を希望している、など自社の商品やサービスを知って欲しいターゲット層に的確にアプローチができます。
少額からでも出稿できる
SNS広告は、少額から出稿できる点が特徴の一つです。テレビCMの広告費の場合、東京のキー局で15秒のCMを1回流すと40~80万円かかり、時間帯や視聴率によってはさらに高くなることもあります。
SNS広告の場合は、Facebookの広告やInstagramの広告は1日で1ドル、LINE広告のクリック課金なら最低24円から広告を出稿できます。さらにTwitterの広告は最低出稿金額が決められていないので、1円から広告出稿が可能です。
SNS広告は出稿の最低金額の設定が低いため、企業の規模にかかわらず広告が出せる点が大きなメリットと言えるでしょう。
拡散効果を期待できる
SNS広告には、一般の投稿と同じくシェアできるボタンがあります。ユーザーが、他の人にシェアしたいと思った広告や強い関心を持った広告などを共有できるため、拡散効果が期待できるでしょう。
シェアした広告を見た人がさらにシェアをすれば、多くの人の目に触れることになりバズる可能性もあります。自社で何度も不特定多数のユーザーに向けて広告を出さなくても、ユーザーによってシェアされ拡散する可能性があるので、大きな広告効果が期待できます。
他のWeb広告と比べて受け入れられやすい
SNS広告はプッシュ型広告ですが、タイムラインに自然に溶け込ませたりデザインや雰囲気をターゲット層の好みしたりできるため、他のWeb広告に比べてユーザーに受け入れられやすいと言えます。
一人ひとりがスマートフォンやタブレットを持ち、自分からさまざまな情報を得られるようになった今、企業からユーザーへ一方的にアプローチする従来のスタイルの広告は、十分な効果を得られにくい傾向があります。
SNS広告のように明らかな宣伝とは違い、ユーザーの悩みを解決する提案のようなスタイルは、ユーザーにも比較的受け入れられやすいのです。
潜在顧客へのアプローチにも活用できる
リスティング広告・リターゲティング広告は、ユーザーの検索結果やWebサイトへの訪問などの行動に対して広告を発信する形式です。そのため商品やサービスに興味がありそうな顕在層のユーザーへのアプローチに適しています。
SNS広告は、顕在層だけではなくさまざまなユーザーへ広告を発信できるので自社の商品やサービスを知らないユーザーにもアプローチができます。潜在層にもリーチできるので、ブランディングにも非常に効果的です。
SNS広告に適した活用方法
SNS広告を有効に活用するためには、SNSを通じて何を伝えたいのかを明確にする必要があります。SNS広告は、自身の悩みが何かを理解していない人や、自社の商品やサービスをまだ知らない潜在層のユーザーにアプローチができます。
SNSで公式アカウントでの通常の投稿は、すでに自社や自社の商品やサービスを知っているフォロワーに対して情報を発信できますが、潜在層にはリーチできません。SNS広告は、まだ自社と接点がないフォロワー以外のユーザーへアプローチが可能です。
そのため企業や商品・サービスの認知や自社サイトまたは公式アカウントへの誘導などに活用できます。
ブランド認知の拡大
SNS広告は、自社のブランド認知の拡大に役立ちます。ユーザーがSNS広告を見た時点では、興味が湧かなかったとしても、何度か目にすることでリードへと変わる可能性があるでしょう。
リスティング広告・リターゲティング広告は、自社商品やサービス、ブランドにすでに興味があるユーザーをターゲットに購買へとつなげるための手法です。しかし顕在層だけにアプローチできる広告手法だけでは、新たな顧客の開拓はできません。
SNS広告を使えば自社の商品・サービスやブランドをまだ認知していない潜在層に広告を訴求できるため、新たなリード獲得が可能です。
リードナーチャリング・CRM
SNS広告は、リードを獲得した後のリードナーチャリングにも活用できます。ターゲット層の好むデザインや雰囲気を作り広告を出稿することで、自社ブランドや商品・サービスのイメージをうまく伝えられます。
リードの関心を惹ければ「いいね」やシェアなどでエンゲージを高めて商品やサービスの購入につなげられます。さらにリピーターの育成やSNS広告で企業とユーザーの良好な関係性を築くCRM(Customer Relationship Management顧客関係管理)にも役立つでしょう。
主なSNS広告の種類
SNSにはさまざまなものがあり、それぞれ特徴や利用するユーザーの傾向なども異なります。アプローチしたいユーザー層や、自社のブランド、商品やサービスなどに合わせてもっとも適したSNS広告を選ぶとよいでしょう。
代表的なSNS広告の種類について詳しく紹介していきます。
Twitter
ユーザー同士がリアルタイムで短いセンテンスで会話を行うTwitter。ユーザー数は推定で4,500万人います。10〜30代の比較的若い層が利用するSNSです。
SNS利用者の60%近くが、情報検索をするときにはTwitterを使っているという調査もあります。ユーザーは、自分の関心のあることや興味のあるTwitterのアカウントをフォローするので、特定のキーワード検索を行うユーザーや自社と特性が近いアカウントをフォローしているユーザーなどにアプローチできます。
Twitterのタイムラインに表示される広告は、いいねやリツイート、コメントをすることもでき、さらに広告ツイートから発生したアクションは課金されないため、ユーザーに拡散してもらうことで広告費以上の大きな成果をあげられる場合があります。
Instagram
写真や動画などをメインに訴求ができるInstagramは、ユーザー数3,300万人、10〜40代の人が利用するSNSです。ユーザーは女性の方が多く、視覚に訴えられる商品やサービスなどに最適です。また、言語の壁も低いため日本だけではなく、世界中のユーザーにアプローチができる点も魅力。
Instagram広告には質問機能があります。質問機能を通してユーザーと相互のコミュニケーションが取れるアンケート広告や、ECへ誘導できるショッピング広告などさまざまなメニューがあるので、目的に合わせた広告出稿ができるでしょう。
Facebook
実名で登録するFacebookは、ユーザーの情報の正確性が高いため精度の高いターゲティングができる点が大きなメリットでもあります。ユーザー数2,600万人、10〜50代と幅広い年齢層の人が利用していて、日本では特に30〜50代のビジネス層が利用している点も特徴です。
長尺の動画や、画像の複数投稿、リンクのシェアなどさまざまな広告フォーマットを使えます。Facebookをビジネス上のコミュニケーションツールとして利用している人も多いため、SNS広告の中ではBtoB企業向けの広告にも適しています。
LINE
LINEは、8,400万人のユーザーがいる国内ではもっともポピュラーなSNSといえるでしょう。人口の約77%が利用していて、メッセージやビデオ通話以外にもさまざまな機能があります。
ビジネスや家族、友人とのやりとりにLINEを使用している人も多いため、ユーザーのアクティブ率が高く、SNSの中でも比較的ユーザーの年齢層が高い点も特徴です。トークリストのLINEマンガやLINEクーポン、LINEショッピングなど12種類の配信面の中から、目的にあった配信面へ広告を出稿できます。
企業がLINEの公式アカウントを持っている場合は、公式アカウントのデータを広告配信にも利用できて便利です。
YouTube
動画を視聴したり共有したりできるYouTubeは、国内では60%以上の人が利用しているSNSです。YouTube広告はスキップ可能なインストリーム広告やアウトストリーム広告、マウスヘッド広告など6種類のフォーマットがあり、Google広告の細かなターゲット設定を使って動画の広告を配信できます。
商品やサービス、またターゲットに合わせて適切なものを選びましょう。
TikTok
若い世代に人気があるSNS、TikTokは、ショートムービーに特化しています。世界中で月間のアクティブユーザーが12億人とも言われるほど、近年急拡大しているSNSです。
TikTok広告の特徴は、配信するだけではなく企業が提供したステッカーやフィルター、エフェクトなどをユーザーが利用し、ユーザーによる投稿を促すことができる点です。
また、企業がハッシュタグを提示して投稿を呼びかけ、ユーザーがハッシュタグコンテンツを生成するChallengeなどもあり、ユーザー自身が楽しんで広告を投稿できるようになっています。若年層をターゲットとした広告に最適です。
LinkedIn
LinkedInは、アメリカ発のビジネスSNSの1つです。LinkedInを活用することで、新たなビジネスチャンスを発掘したり、キャリアや仕事関係の情報収集を行ったり、転職活動に役立てられます。
LinkedInに掲載できる広告がLinkedIn広告です。LinkedInはビジネス特化型のSNSなので、BtoB向け商材、キャリアアップのための商材、求人情報などを拡散したいときに利用すると効果が高いでしょう。
Eight
Eightは名刺管理アプリです。スマートフォンで撮影した名刺の情報を管理でき、ビジネスマンの間で高い人気を誇ります。Eight広告は、アプリ内またはWeb版に配信できる広告で、企業情報や名刺情報を活用してターゲティングできるのが大きな特徴です。
従業員数や役職、部署などさまざまなセグメントで分け、狙いたいターゲットを細かく絞り込めます。Eight広告は主にフィード枠、会社タブ枠、お知らせ枠の3種類があります。
SNS広告を効果的に運用するコツ
SNS広告を効果的に運用するには、それぞれの特徴や機能を把握し、ターゲット層や自社の商品・サービスにあったものを選ぶ必要があります。また、一般的な広告とは違い、広告内容の変更が簡単にできる点もSNS広告のメリットといえます。
広告への反響や商品・サービスの改正などに合わせて内容を適宜差し替えることでより効果的な運用ができるでしょう。
SNS広告を利用するときのコツをお伝えします。これから、SNS広告を運用する企業だけではなくすでにSNS広告を始めているが、思うような効果が得られていないという企業にも役立つので参考にしてください。
自社商材に合ったSNSに出稿する
自社商材にあったSNSを選びましょう。商材に合わないSNS広告を出稿してもフォロワーは増えず、ユーザーの購買意識を高めることはできません。SNS広告はリーズナブルな費用で利用できますが、ターゲット層が少ないSNSに出稿しても意味がありません。
例えば、女性向けの衣類やバッグ、アクセサリーなどの広告を出すなら、ビジュアルに訴えられる女性ユーザーが多いInstagramが適しているでしょう。ビジネスパーソン向けのサービスを紹介するならTwitterやFacebookに広告を出稿すれば大きな反響が得られるかもしれません。
自社商材がどのようなペルソナを設定して作られたかを改めて振り返り、適したツールを選んでください。
クリエイティブの差し替えを積極的にする
SNS広告では、クリエイティブの差し替えが重要です。SNSはユーザーが1日に何度もアクセスするもののため、クリエイティブの差し替えもスピーディーに行う必要があります。いつ見ても同じ広告では、ユーザーに飽きられてしまいます。
SNS広告用のクリエイティブはいくつか用意しておきましょう。同じクリエイティブを使うのではなく、複数のクリエイティブを差し替えて効果を検証してみてください。動画を使った広告、スワイプで複数のビジュアルが見えるカルーセル、ストーリーズなども活用しましょう。
ユーザーの反応が良いクリエイティブを見つけることで、成果にも繋がります。
ターゲットを明確にする
ターゲットを明確にしましょう。SNS広告のメリットの1つに、正確にターゲティングが行える点があげられます。ユーザーのアカウント情報をはじめとして、フォローしているアカウントや、いいねをしているページ、SNS上で繋がっている友達などから詳細なターゲティングできます。
Facebook広告の場合、ユーザーのFacebookのIDと自社の顧客データを紐づけられるカスタムオーディエンス機能を活用できます。自社に関心のあるユーザーだけを選んで広告を配信することも可能です。
ユーザーをセグメントできれば、CPA単価を下げたりコンバージョン率を高めたりすることもできるでしょう。
広告以外の機能と組み合わせる
広告以外の機能を活用することで、さらに高い成果を上げることも可能です。FacebookやInstagramにあるショッピング機能は、ユーザーがプラットフォーム内で申し込みや商品購入ができる機能です。広告と組み合わせて活用すれば、自社のアカウントとまだつながりのないユーザーにも商品を紹介し購買へと誘導できます。
また、LINE広告ではLINE公式アカウントのユーザーデータをターゲティングに利用できるクロスターゲティング機能があります。
SNSで広告を出稿するだけではなく、そのプラットフォーム上のさまざまな機能やサービスを組み合わせて活用すれば、より高い効果が得られるでしょう。
効果計測の定義を明確に設定する
SNS広告を効果的に運用するためには、コンバージョンや成果の測定を行わなければいけません。
成果の指標は明確に設定しましょう。広告を見たユーザーが商品やサービスを購入するところまでが成果なのか、LPの閲覧数かなど、具体的な数値を決めてください。
目標をクリアするためにはどのような改善策があるのか検討し、成果を出せるようSNS広告の内容やデザイン、配信時間帯などを見直していきましょう。
まとめ
SNS広告は、インターネットやスマートフォンの普及により一般的になってきました。従来型の広告とは違い、コストを抑えて精度の高いターゲティングができ、企業のブランディングやリードを獲得するためにも役立ちます。
SNS広告を効果的に運用するためには、それぞれのSNS広告の特徴を知り、機能を十分に活用していく必要があります。適宜コンバージョンを測定し改善も行う必要があるでしょう。
リードプラスの広告運用代行サービスでは、SNS広告を含め目的に合わせた広告運用サービスを提供しています。自社でSNS広告の成果が思うように出ないときは一度リードプラスまでご相談ください。