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顧客価値とは?重要視される理由から種類、段階、成功事例まで解説

顧客価値とは、顧客が商品やサービスに対して認めた価値のことをいいます。顧客価値が高い商品やサービスは費用対効果が高いと感じやすいため、顧客満足度の向上に繋がります。近年は、この顧客価値を重要視したマーケティングが主流になっています。

顧客価値について種類や段階、さらに成功事例を紹介しながら詳しく解説していきます。

顧客価値とは

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顧客価値とは、顧客が「この商品やサービスなら、この金額を支払っても満足できる」と認めた価値を言います。顧客が商品やサービスを利用し、さらにそこから派生する体験から顧客が得られる意義や良い働き、満足感などの総称です。

顧客価値を高めるためには、顧客が期待した以上の価値を提供しなければいけません。期待以上の価値を提供するには、顧客の予想を上回る付加価値を付ける、顧客が「これもあればいいのに」と求めているサービスや機能を追加する、などの方法があります。

さらに、商品やサービスの提供をするだけではなく、ブランドのイメージやスタッフの対応なども顧客価値を上げる要因となります。

生涯顧客価値(LTV)とは

顧客価値と似た言葉で生涯顧客価値(LTV)があります。生涯顧客価値とはLifetime Valueを訳した言葉で、企業と顧客が初めて接点を持った時点から取引が終了するまでに顧客から企業が得られる総利益のことです。

顧客を増やしても、ひとり当たりの売り上げが伸びなければ企業の利益も増えません。生涯顧客価値を上げることで、顧客から自社の商品やサービスを長期的に継続して利用してもらえるようになり、安定した利益に繋がります。

生涯顧客価値の算出方法はいくつかありますが、一般的なものは以下の計算式です。

平均顧客単価×平均購買頻度×収益率×継続期間=生涯顧客価値

生涯顧客価値が、新規顧客獲得費用と既存顧客維持費用の合計を下回る場合は、企業の利益が出なくなってしまうため、生涯顧客価値を高める努力が必要になります。

マーケティングで顧客価値が重要視される理由

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顧客価値は、マーケティングでも重要視されています。現代は、多種多様な商品やサービスが生産され、顧客はインターネットやSNSを通じて自ら商品やサービスの情報を得られるようになりました。

今までは企業が主体となりコストや商品・サービスの機能や性能だけで価格を決定し流通させてきました。しかし従来のようなマーケティング手法では、顧客のニーズや社会の流れを読み取り顧客価値を高めることは難しくなってきています。

顧客価値のある商品やサービスを提供するためには、企業努力による顧客価値の創造が必要です。顧客の期待する価値や機能を備えた商品やサービスの提供だけではなく、それを体験することで顧客が得られる価値を作り出さなければ顧客価値は高まりません。

顧客価値の種類

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顧客価値には機能的価値、情緒的価値、体験価値の3つの種類があります。顧客価値を考えるときに、この3つの視点から創造するといいでしょう。

機能的価値

機能的価値は、その商品やサービスが持つ機能です。例えばスマートフォンの場合、電話ができる、インターネットに繋がる、写真が撮れるなどの基本的な機能があります。その他に、さまざまなアプリを入れて自分の使いやすい仕様にカスタマイズできる点も、大きな機能的価値と言えます。

動画、写真などを保存しスマートフォンを快適に使うための容量も、スマートフォンを選ぶときの重要な機能の1つです。その商品の持つ働きや特徴が機能的価値です。

価値にはレベルがあります。スマートフォンの容量で説明すると、64GBと128GBでは128GBの方が容量が大きいためより多くのアプリや動画などを保存できます。しかし、128GBのスマートフォンの方が当然料金は高くなります。

すべての顧客が128GBを好むわけではなく、顧客によっては動画や写真をそれほど多く保存するわけではないこという理由で、価格の手頃な64GBを買い求めるケースもあるでしょう。価値のレベルは顧客によってそれぞれ違い、汲みきれないまま商品やサービスの機能に反映してしまうと、顧客価値を高められなくなるケースがあります。

情緒的価値

情緒的価値は、顧客が商品やサービスを体験したときに得られる情緒的な満足度を言います。有名ブランドの商品を手に入れることで得られる優越感、大手メーカー商品の機能だけではなくアフターケアの充実、スタッフの丁寧な対応などで感じる安心感も情緒的価値と言えるでしょう。

例えば、普段の外食は大衆的な居酒屋や手頃なチェーン店を利用していても、誕生日や記念日など、特別な日は高級レストランやホテル内のレストランに食事に行く人も少なくありません。これは、そのお店の味だけではなく雰囲気やサービスなど情緒的価値を求めるからです。

価格が高価なものや高級な商品やサービスは、情緒的価値の方が機能的価値よりも高い場合が多くあります。

体験価値

商品やサービスで得られる体験価値も大切な要素です。顧客価値を高めるためには、商品やサービスを提供するだけではなく、顧客がそれらを体験して得られる成果を重視する必要があります。

例えばAirbnbの人気が高い理由は、単なる宿泊施設の機能的価値としてだけではなく、世界各国の文化やライフスタイルに触れられる滞在型の体験ができるからです。企業は顧客が得る体験価値を商品やサービスを通して提供することを考えると、顧客と価値を共に創ることができます。

顧客価値は、所有することから利用して得られる成果は何か、へと変わってきています。体験価値を得られる商品やサービスを提供し続ければ、顧客と価値を共創でき顧客価値も高まるでしょう。

顧客価値の4つの段階

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顧客価値には4つの段階があります。顧客価値を決めるのは、企業ではなく顧客です。以下の4つの段階をどこまで提供できるかによって、顧客価値の高さは変わってきます。

基本価値

商品やサービスに必要不可欠なもので、顧客にとっては提供されて当たり前のものです。基本価値がなければ、クレームに繋がったりリピート購入や再利用はされなくなります。

例えば、家電製品なら電源を入れて動くこと、飲食店ならメニューにある商品をすぐに提供できること、衣類なら表示通りのサイズでほつれやキズがないことなどがあげられます。

期待価値

期待的価値は商品やサービス購入前に顧客が期待していることです。顧客が「これくらいはあってほしい」と思っていることで、なくてもクレームに繋がるほどではありませんが顧客価値は下がり、リピート購入はしてくれないでしょう。

願望価値

願望価値は顧客が絶対的に期待しているものではありませんが、あればその商品やサービスは高い評価を得られる価値です。願望価値がなくても不満やクレームにはなりませんが、願望価値を実現できれば、高い評価を得られてリピーターを獲得できる可能性が大いにあります。

予想外価値

予想外価値は、顧客の期待や願望を大きく超える価値です。もしも予想外価値を提供できれば顧客は大きな喜びや感動を得られるでしょう。非常に高い満足感が得られるため、リピート購入に繋がるうえ、商品やサービスの良い口コミが広がる可能性も高く、新たな顧客の獲得にも繋がります。

顧客価値向上の成功事例6選

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顧客価値向上に成功した事例を紹介します。どの事例も情緒的価値や体験価値、予想外価値などを追求し、うまく顧客に提供できたことでブランドイメージの向上や、売上拡大、新規顧客の獲得などに繋げられています。

スターバックス

本格的なコーヒーや軽食が楽しめるスターバックス。アメリカの企業でシアトル系コーヒーのパイオニアです。店舗の事例を紹介します。

スターバックスでは、顧客価値の創造のためにコーヒーを購入する行為に価値を見出せるよう取り組みを行いました。店内をサードプレイスと位置付けて、清潔な店内、落ち着ける内装や優しい光の間接照明を使い、ゆったりとした音楽を流します。

コーヒーのクオリティだけではなく、スターバックスの店内をリラックスして過ごせる特別な空間として付加価値を持たせました。Wi-Fiや充電設備もあるので、ノートパソコンやタブレットを持って、長時間滞在する人も少なくありません。

またスターバックス従業員の教育では、決められたマニュアルはありません。接客は「歓迎する」、「心を込めて」、「豊富な知識を蓄える」、「思いやりを持つ」、「参加する」の5つをベースに指導され、それぞれが機械的ではない温かみのある接客を行っています。

スターバックスの演出により、コーヒーを飲むならスターバックスがいいという概念を顧客に持ってもらうことに成功しました。ブランドイメージが定着し、スターバックスは日本国内の売り上げは2020年時点1,738億円、店舗数は1,600店以上となっています。

コーヒーの味という基本的価値はもちろん、情緒的価値や体験価値を重視した戦略と言えるでしょう。

ネスカフェ

ネスレ日本では、ネスカフェアンバサダーを顧客価値の創造に取り入れました。コーヒーマシンをオフィスに無料で貸し出して、職場の代表者であるネスカフェアンバサダーが専用のコーヒーカートリッジの定期購入や代金回収を行います。

単にコーヒーマシンを提供するのではなく、ネスカフェアンバサダーを通して社内で自然とコミュニケーションが生まれることを目的としています。美味しいコーヒーが飲める機能的価値やカフェで注文するような豊富なメニューを楽しめる情緒的価値、さらにはネスカフェアンバサダーとの交流によって、和みのある職場という予想外価値を提案しています。

任天堂

任天堂が製造し、2006年に発売して大ヒットしたWii。子供向けのゲームという枠を超えて、大人も楽しめるよう開発されたために、大きく売り上げが伸びました。

当時はゲーム機は高画質や高機能を追求したものが多くありましたが、Wiiは、使いやすさをもっとも重視して作られました。操作が簡単で、振ったり捻ったりするだけでキャラクターを動かせるコントローラーも扱いやすいため、ゲームにはあまり慣れていない子供の親世代や中高年層の獲得にも成功しました。

さらにパーティーゲームの発売で、ゲームで家族みんなで楽しい時間を過すという、大人にとっては体験価値・予想外価値を提供したため、Wiiは各家庭に1台あると言われるほど新規顧客を獲得し、売り上げを拡大しました。

ザッポス

アメリカのラスベガスに拠点のある靴のECサイトを運営するザッポス。ザッポスでは、「Deliver WOW Through Service」(サービスを通じて「ワオ!」を届けよう)がモットーです。靴を注文する顧客に、機能的価値の他に予想外の価値を提供することを意識しています。

そのワオ!を感じるザッポスの話があります。

ザッポスで靴を購入した女性がいましたが、購入した直後に彼女の母親が病気で亡くなり、慌ただしい日々を送っていました。その頃ザッポスから購入した靴の調子を伺うメールが届いたため、女性は母親が亡くなり忙しくしていること、靴は履いておらず返品したいこと、少し時間がかかるけれど必ず返品するので待ってほしい、という旨の返信をしました。

するとザッポスは宅配の集荷サービスを送ると女性に返信します。ザッポスでは、返品する際の送料はかかりませんが、返品する人が集荷場まで靴を持っていかなければいけないというルールがあります。

女性もそのキャンセルポリシーを知っていましたが、事情を聞いたザッポスは特例としてルールとは違う方法で返品に応じてくれたのです。さらに、後日女性の自宅にザッポスからお悔やみの花束が届きました。

女性は一連の対応に深く感動し、その時のエピソードをブログで「もし、ネットで靴を買うのならば、ザッポスから買うことをお薦めします」と紹介しました。予想外価値を提供することで顧客が感動し、良い口コミが広まったケースです。

Apple

CDを買ってパソコンに取り込んで音楽を楽しむ方法から、さらに身近に音楽を楽しめる画期的な方法を提案したのがAppleです。

iPodとiTunesを組み合わせることで、CDを買いに行く、外部機器を使ってパソコンに音楽を取り込むなどの手間をなくしました。iPodとiTunesを使えばパソコンで音楽を直接手に入れてそのままiPodに取り込めます。

従来の音質の良さや容量の大きさなどだけではなく、身近に音楽を楽しめる顧客価値を創造しました。iPodはシャッフル再生することで、自分の音楽ライブラリの楽曲をランダムに再生できます。知っているアルバムや楽曲ばかりなのに、新しい感覚で音楽を楽しめる予想外な価値を提供した事例とも言えるでしょう。

また、iPodとiTunesを使えばCDを購入したり保存する必要がなくなるので、CDを保管していたスペースを有効活用できるようになりました。

東京ヤクルトスワローズ

日本のプロ野球チームの1つである東京ヤクルトスワローズは、東京都の明治神宮球場を本拠地としています。この東京ヤクルトスワローズは、ファンクラブの会員数を増やすために、顧客満足度調査をもとにさまざまな取り組みを行いました。

調査の結果、顧客は入会することで得られるユニフォームなどのグッズ特典を高く評価し、選手と触れ合える機会を非常に期待していることが分かりました。また東京以外の地方のヤクルトスワローズファンは、あまり球場まで足を運んでいないことも判明しました。

地方のファンにとっては、神宮球場まで行って観戦するのはハードルが高く、ファンクラブに入会するメリットはあまりないと感じていました。これは、ファンクラブに入っても体験価値が低いと判断していることになります。

調査結果から、ヤクルトスワローズは地方のファン向けのイベントを増やし、積極的に交流したり、会員特典をさらに手厚くしたりするなどの対策を行いました。その結果、ファンクラブ会員数を約2年で2.5倍にまで増やすことに成功しました。

また有料のプラチナ会員の入会数も増加、観戦チケットの売り上げも伸びて経営状況の改善に繋がりました。顧客データやニーズを集めて、顧客価値の創造が成果として表れた事例です。

顧客価値を向上させるためのポイント

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顧客価値が高いか低いかを決めるのは顧客です。企業の一方的な押し付けになっては、顧客価値を上げることはできません。顧客が何を求めているのか、何に期待しているのかを正確に把握する必要があります。

顧客価値が低い場合は顧客のニーズに沿っていないことが考えられます。また最初は顧客価値が高くても長く続かない場合は、偶然顧客価値が上がっただけで、長期的なリピートは望めないでしょう。

顧客の期待を把握するだけではなく、期待を超えた価値を提供すれば感動を生みます。顧客価値を向上させるポイントをお伝えします。

コンセプトを決めて価値提供に取り組む

商品のバリエーションを増やす、商品の価値を上げるまたは下げる、商品やサービスを提供するスタッフの接客のクオリティを上げるなど、やり方はいろいろあります。

他社との差別化をどのように図るのか、どのような価値を顧客に提供したいのかを明確にしてください。また、顧客に価値を与えるのは商品やサービスの提供時か、長期的な付き合いの中なのかも考えましょう。

顧客価値を高める方法は、コンセプトを決めて取り組んでください。自社製品やサービスを発売するときに決めているコンセプトがあります。それに沿った価値を提供できないと、かえって顧客が混乱し、離れてしまう場合があります。

例えば、豊富なメニューが売りのレストランで、品数を減らしてしまうと顧客価値が下がってしまう可能性があります。

顧客の声に耳を傾けて継続的に価値提案する

デジタル化が進んだことで、クラウド型のサービスを通して顧客の利用状況を把握したり、アプリやLINEを使って多くの顧客と繋がれるようになりました。

そのため顧客の声に耳を傾けやすくなり、ニーズに沿った価値を継続的に提案できるようになったのです。顧客と接点が持てるとお互いに情報交換ができます。また、顧客の購買記録や行動をデータ化できるのでそれらに基づいた提案が行えます。
顧客の声に耳を傾けて継続的に価値を提案ることで顧客価値が高まり、ひいては生涯顧客価値も上がるでしょう。

まとめ

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顧客価値は、顧客が商品やサービスを利用し体験することで得られる満足度を表すものです。顧客価値が高ければ、リピートに繋がり生涯顧客価値も上がります。企業にとっての利益を大きく左右する顧客価値は、顧客の期待やニーズを把握し、継続して提供するべきものです。

的確なタイミングで顧客の予想を超えるような感動する価値を提供できるよう、まずは十分な分析を行いましょう。

顧客価値の提案に悩んだ際はリードプラスまでご相談ください。

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