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カーボンニュートラルとは?企業が取り組むメリットや方法・事例を紹介

地球温暖化による気候変動は年々深刻化しており、世界各国が足並みを揃えて二酸化炭素の排出を抑える取り組みを行おうとしています。日本でも多くの企業がカーボンニュートラルを目指した事業活動をすでに始めています。カーボンニュートラルとは何か、企業が取り組むメリットや具体的な方法について、すでにカーボンニュートラルの取り組みを行っている事例もあわせて紹介します。

カーボンニュートラルとは

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カーボンニュートラルとは、温室効果ガスの排出量をゼロにすることを言います。年々地球温暖化の影響により気候変動が激しくなり、世界各地で甚大な被害をもたらしています。地球温暖化の原因は、二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスと言われています。

2018年に報告書を提出した気候変動に関する政府間パネルのIPCCによると、産業革命以前と比べて世界の平均気温の上昇が1.5度を大きく上回らないようにするためには、2030年までに世界全体の人為的な原因による二酸化炭素の正味排出量を2010年の水準から約45%減、2050年前後には正味ゼロにする必要があると述べています。

日本のカーボンニュートラルに関する菅首相の演説・表明

この報告書の内容を受けて菅元総理大臣は2020年10月26日の所信表明演説において、「日本は2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする」と発言しています。つまり2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指すと宣言したのです。

さらに、2021年4月に開かれた地球温暖化対策推進本部及び米国主催の気候サミットに出席した際には、2050年の目標と整合的・野心的な目標として、「2030年度には温室効果ガスを2013年度から46%削減することを目指し、さらに50%の高みに向けて挑戦を続けていく」と表明しました。

この菅元総理大臣の発言以前は、日本は2030年度に2013年度比で26%温室効果ガスを削減するという目標を掲げていました。この目標は、国が決定する貢献(NationallyDetermined Contribution)として2015年7月と2020年3月に国連に2回提出されています。

また2019年6月に国連に提出した日本のパリ協定に基づく成長戦略としての長期戦略では、2050年までに温室効果ガスを80%削減、今世紀後半のできるだけ早い時期に脱炭素社会を実現すると記されています。

菅元総理大臣の宣言は、これまでの温室効果ガス削減の目標を大きく引き上げ、カーボンニュートラルを達成する時期を早めた形になります。

企業がカーボンニュートラルに取り組むメリット

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企業がカーボンニュートラルに取り組むことは、地球や人類にとってだけではなく企業にもメリットがあります。今後も大企業のみならず中小企業でもカーボンニュートラルを目指したビジネスモデルを展開していくことが主流となるでしょう。

エネルギーコストの削減

カーボンニュートラルの推進により、企業のエネルギーコストの削減ができる可能性があります。昨今、石油やガソリン、原材料などさまざまなものの値段が上がっていますが、燃料や原料の値上げをすぐにビジネスモデルに反映させることが難しい面もあり、経営が厳しい企業も少なくありません。

しかしカーボンニュートラルにシフトすれば、太陽光発電や風力などの持続可能な自然エネルギーを利用し事業活動を行うため、自社で発電すれば業務に必要なエネルギーコストの削減が期待できます。自然エネルギーによる発電装置を設置する初期費用はかかりますが、長い目で見れば世界の価格高騰に影響されずにコストを抑えてエネルギーを生産できるようになります。

企業のブランドイメージの向上

カーボンニュートラルにいち早く取り組めば、企業のブランド価値の向上が見込めます。環境問題に率先して取り組む企業としてイメージアップし、市場でも高く評価されるでしょう。

また、同業他社や企業が拠点を置く自治体、NPO組織などと、さまざまなカーボンニュートラルの取り組みに関する情報交換やコミュニケーションも行えます。地域の自治体や団体、住民の理解を得られれば新たなビジネスチャンスも広がるでしょう。

さらに、個人の評価も高まるため、株価の上昇や就職や転職で優秀な人材を確保しやすくなります。カーボンニュートラルへの取り組みは、自社のホームページやプレスリリースで積極的に発信していくとよいでしょう。
 

ESG投資の対象になる

ESGとは、環境(Environment)、社会(Social)、企業統治(Governance)のことで、ESGに配慮して経営している企業に投資することをESG投資と言います。ESG投資は世界の投資家たちの注目を集めており、年を追うごとにその規模が拡大しています。

近年では、世界最大規模の公的年金基金もESG投資を採択していて、今後も重要性が高まると考えられます。カーボンニュートラル企業として認知が広まれば、ESG投資の対象になり資金調達も有効に行えるでしょう。

企業がカーボンニュートラルに取り組む方法

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実際にカーボンニュートラルへの取り組みを行うときには、省エネルギーを進める、再生可能なエネルギーを使う、ネガティブエミッション技術を活用する、などさまざまな方法があります。これらの方法について詳しく解説していきます。

省エネルギーの推進

まずは事業活動に必要なエネルギーを節約します。温室効果ガスの総排出量の約85%が、発電や運輸、産業で化学燃料を使用した場合に発生するエネルギー起源の二酸化炭素といわれています。そのためカーボンニュートラルゼロを実現させるには、エネルギー起源の二酸化炭素を減らす必要があります。

今まで使用していたエネルギーを節約して温室効果ガスの排出量を減らすだけではなく、蛍光灯や電球をLEDに変える、流量を調整するためインバーターを設置する、ヒートポンプを使い廃熱を回収することも省エネルギーになります。

どのような方法が自社に適しているのかを知るためには、省エネルギーセンターや一部の自治体などが行う省エネ診断を受けるといいでしょう。現在の電気や燃料の使用量、省エネルギー推進で、どの程度二酸化炭素を削減できるかが明確にわかります。

また、カーボンニュートラルのための設備投資をする場合、経済産業省や環境省の補助金を受けられる場合があります。

再生可能エネルギーの利用

現在利用している電力を再生可能なエネルギーに変更することも必要です。事業活動に必要な電力を太陽光や風力、水力などに代替することで大幅に二酸化炭素を減らせます。これらの自然エネルギー以外にもバイオマス、地熱、太陽熱、地中熱なども再生可能なエネルギーです。

ソーラーパネルを設置して太陽光から電気を作る自家発電なら、余った電力を買い取ってもらうことも可能です。
また他にも初期のコストがかからない方法として、再生可能エネルギーで発電する電力会社と契約する、契約しているプランを変更する、グリーン電力証書やJ-クレジット書を購入するなどがあります。

電気ではなく、化石燃料を多く使う企業なら合成メタンへの置き換えもできるでしょう。合成メタンは二酸化炭素と水素を合わせて作るエネルギーです。合成するときにすでに二酸化炭素を取り込むので、合成メタンを使ったときに出る二酸化炭素と相殺でき、CO2排出ゼロにできます。

ネガティブエミッション技術の活用

ネガティブエミッションとは、大気中の二酸化炭素を削減したり除去したりする技術です。大気中の二酸化炭素を直接捕集するDACや二酸化炭素の回収と貯留を行うCCS、回収や利用を行うCCUなどを組み合わせて正味マイナスの二酸化炭素排出量を達成します。

2050年にカーボンニュートラルを達成するためには、ネガティブエミッション技術は不可欠と言われています。今後はさらにネガティブエミッション技術の実用化やビジネス化が顕著になってくるでしょう。

参考:ネガティブエミッション技術の検討方針について 2021年12月 経済産業省 産業技術環境局

国内企業のカーボンニュートラル取り組み事例9選

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国内企業でカーボンニュートラルに取り組んでいる事例を紹介していきます。

セコム株式会社

セコムでは「2050年に向けて温室効果ガス排出を80%削減」を長期的な目標にしていましたが、2020年10月の政府による「2050年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロにするカーボンニュートラル宣言」を受けて目標を見直しました。

新たな目標は、「2030年度までに温室効果ガス排出を2018年度比で45%削減、2045年までに温室効果ガス排出ゼロ(カーボンゼロ)」としており、具体的には2045年までに再生可能エネルギーへ100%シフト、2030年度までに四輪車両の電動車化を掲げています。

また、オフィスの電力使用量削減のために省エネ機器を導入、自社施設への太陽光発電設備の設置、グリーンエネルギー証書の購入なども行っています。さらにサプライチェーンへの説明会も実施し、理解を得るとともに情報共有も行っています。

参考:2045年「カーボンゼロ」への挑戦|トピックス2021|セキュリティのセコム株式会社-信頼される安心を、社会へ。

イオン株式会社

イオンは、2018年に「脱炭素ビジョン2050」を発表しました。2040年を目処に店舗のCO2排出総量ゼロを達成、2030年までには2010年比でCO2排出量35%削減などの目標を掲げています。具体的には、2025年までにイオンモール全店舗の使用電力を100%再エネルギーに変更、脱炭素型住宅の新築や住宅リフォーム事業の展開、電気自動車の購入などを行っています。

また、再エネルギーを地域で共有し合う「再エネの地産地消」にも積極的に参加しています。その一環で、2022年からイオンの商業施設の敷地内に設置する充放電設備を使い、家庭で発電された余剰再エネルギー電力をイオンの店舗で活用する取り組みも始まっています。

参考:イオン 脱炭素ビジョン | イオンのサステナビリティ | イオン株式会社

三井不動産株式会社

三井不動産は、2050年度までのグループ行動計画の中で、2030年度の温室効果ガス排出量削減率を 40%へ引き上げ、同じく2030年度までに国内全施設をZEB/ZEH化、メガソーラー事業は5倍へ拡大するという目標を策定しています。

主な取り組みとしては、2030年までに国内にあるすべての新築物件でZEB/ZEH水準の環境性能を実現します。また既存の施設の環境性能の向上も行います。国内にある全施設では、再エネルギーを活用し、電力のグリーン化を計ります。

また、メガソーラーの拡大により首都圏で保有しているすべての施設の発電量を賄えるようになります。さらに2050年に向けて洋上風力や地熱を使ったエネルギー創造事業を行っています。

参考:2030 年度までに国内全施設 ZEB/ZEH 化 - 三井不動産

東急不動産ホールディングス株式会社

東急不動産では、2020年1月に「サステナブル調達方針」を策定しました。2025年には自社のカーボンをマイナスにする、2030年にはサプライチェーンも含め二酸化炭素の排出量を46.2%削減、2050年には排出ネットゼロを掲げています。

東急不動産は、2016年に本格的に再生可能エネルギー事業に参入しています。すでにテナントも含めた自社の電力を再エネルギーだけで供給できる試算ができているため、不動産業界では初めてのRE100(企業が自らの事業で使用する電力を100%再エネルギーで賄うことを目指す国際的なイニシアティブ)への加盟を宣言しました。最初の目標は2050年でしたが、事業活動で消費する100%の電力を再エネ化する達成目標を2025年に前倒しして取り組んでいます。

参考:気候変動 | 環境保全への取り組み | サステナビリティ │ 東急不動産ホールディングス

阪急電鉄株式会社

阪急電鉄では、国内初の取り組みとしてカーボンニュートラルを導入したカーボンニュートラル・ステーションを京都線摂津市駅で実現しました。年間70トン排出される二酸化炭素のうちの約半分を太陽光発電やLED照明の導入によって削減、残りは証書などの環境価値を購入することで相殺しています。

またLED照明は、2021年3月時点で87駅のうち43駅に導入、駅以外にも車両や踏切、トンネル、流通各店舗、行先表示器、電照式の広告、案内看板などにも設置しています。

参考:CO2排出量削減・省エネルギーの取組み(駅設備等) - 阪急電鉄

三菱重工エンジニアリング株式会社

三菱重工エンジニアリングでは、脱炭素事業推進室を設置し、カーボンニュートラルに取り組んでいます。世界でもトップシェアを誇る排ガスからCO2を回収するビジネスを強化することで、導入しやすいCO2回収装置を開発しました。

CO2回収の適用先は、バイオマス発電や製鉄、セメント、ごみ焼却などにも拡大しています。エナジートランジション分野では、化学反応技術を活用しアンモニア、水素などのクリーン燃料の製造・活用を加速しています。また、関西電力と共同で技術を開発し独自のCO2回収技術を強化、導入を進めています。

参考:三菱重工エンジニアリング、専門組織「脱炭素事業推進室」を新設

株式会社東芝

東芝は、長期的なビジョンとして「環境未来ビジョン2050」を策定、さらにカーボンニュートラル営業推進部を新設して、取り組みを行っています。

環境未来ビジョン2050の中で、2050年度までに東芝グループのバリューチェーン全体でカーボンニュートラルをめざし、通過点として、2030年度までに温室効果ガス排出量を2019年度比で70%削減することを目標にしています。

具体的には、東芝グループの事業活動に利用できる省エネ設備への投資、再生可能エネルギー設備導入、再生可能エネルギー由来の電力の調達などを行います。また石炭火力建設工事の新規受注を停止し、再生可能エネルギー・エネルギーアグリゲーション、CO2分離回収技術などの省エネ性が高く、温室効果ガス削減に貢献できる製品やサービスの創出に力を入れていきます。

参考:環境未来ビジョン2050 | 環境活動 | 東芝

大崎クールジェン株式会社

大崎クールジェンは、持続可能な社会に向け二酸化炭素の有効利用に向けた取り組みを行っています。
国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と共同で、発電効率を究極まで高めながら二酸化炭素の排出量を90%以上削減できるCO2分離・回収型石炭ガス化燃料電池複合発電(IGFC)の実用化に向けて実証を行っています。

これは、回収される二酸化炭素を液化して貯蔵し、有効活用する為にCO2を分離して回収と液化ができる技術です。大崎クールジェンが実証するこの技術は、CO2の処理コストを低減できるため、国が推進するカーボンリサイクルにも貢献できるでしょう。

参考:石炭ガス化で切り開く未来 - 大崎クールジェン株式会社

株式会社三井住友フィナンシャルグループ

三井住友フィナンシャルグループでは、2030年までにSMBCグループが排出するGHGをネットゼロ、2050年までには投融資ポートフォリオ全体でのGHG排出量のネットゼロを掲げています。長期的な気候変動対策ロードマップを作り、さらに短期的、中期的に実行する具体的なプランを計画し進めています。

具体的には、サステナブルファイナンスの実行額を上方修正し、2030年までに30兆円に設定しました。さらに金融面でのサポートだけではなく、カーボンニュートラルの世界を作るためにGHG排出量を把握するツールの開発も手がけています。

参考:気候変動対策ロードマップ・アクションプラン: 三井住友フィナンシャルグループ

まとめ

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カーボンニュートラルは2050年に向けてすでにカウントダウンが始まっています。サステナブルな社会を目指し、大企業だけではなくすべての企業がカーボンニュートラルに取り組む必要があります。

省エネルギーはもちろん、再生可能なエネルギーに切り替える、ネガティブエミッション技術を活用するなど、自社の事業活動に適した方法でカーボンニュートラルを進めていきましょう。省エネ診断を受ければ、どのような手法を取り入れるのが適切か明確に分かります。

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