リスティング広告は効果的な集客方法といわれていますが、どのくらいの費用が適切かわからない方も多いでしょう。今回はリスティング広告費用の最低価格や相場を紹介します。費用を抑えるコツも紹介しているため、ぜひ読んでみてください。
リスティング広告の特徴
リスティング広告とは、検索エンジン結果画面の上部または下部に表示されるテキスト広告です。広告が検索キーワードに連動して表示されることから、検索連動型広告と呼ばれたり、表示された広告がクリックごとに課金されることから、PPC(Pay Per Click)とも呼ばれます。
リスティング広告の特徴は、以下の3つです。
- 即効性が高い
- 自然検索結果よりも上位に表示される可能性がある
- 狙いたいキーワードに合わせて掲載できる
順番に見ていきましょう。
即効性が高い
リスティング広告の特徴の一つとして、即効性が高い点が挙げられます。SEOで自然検索の上位を狙う場合、多くの時間やコストが必要になるうえ、確実に上位ページが狙えるわけではなく、成果をあげられる時期の見極めが困難です。
リスティング広告はコストが発生するものの、出稿すればすぐに検索結果画面の上部に表示できる可能性があります。検索結果の上部に配置された広告が有益であると感じられればユーザーはコンテンツの中身を確かめるべくクリックするため、即効性の高い集客となるでしょう。
またリスティング広告の高い即効性は、改善策を立てる場合にも有利に働きます。出稿した結果が期待したものと異なる場合でも、素早くPDCAサイクルを回せるため、望む結果とのギャップを埋めやすいでしょう。
自然検索結果よりも上位に表示される可能性がある
リスティング広告は、自然検索結果よりも上位に表示される可能性がある点も特徴です。実際に気になるワードを検索してみれば分かりますが、「広告」と前置きされたリスティング広告のほとんどは、自然検索結果よりも上部に配置されています。
上部に表示された広告を飛ばして自然検索結果を閲覧するユーザーもいますが、どのユーザーもその広告枠を通過することになるため、訴求が強い広告文を出稿できれば集客見込みが高いでしょう。リスティング広告の出稿は、自社サイトへと流入を増やすために有効な手段の一つです。
しかし競合が多いキーワードの場合、ただリスティング広告を出稿しただけでは、上位表示は叶いません。リスティング広告を上位表示させるための条件も後述しているため、ぜひ参考にしてください。
狙いたいキーワードに合わせて掲載できる
狙いたいキーワードに合わせて掲載できるのも、リスティング広告の特徴です。リスティング広告は狙いたいキーワードを設定し、入札の単価を決める仕組みとなっており、狙っていないキーワードでは結果画面に表示されません。
キーワードは、どのユーザーに広告を表示させるか決定する役割を持っているため、重要です。リスティング広告では、出稿者が広告に関連性の高いキーワードを設定し、設定したキーワードで実際に検索された場合に、広告が表示される仕組みです。
自身の広告からユーザーの検索ニーズを読み解くキーワード選定は、リスティング広告がクリックされるために非常に重要な部分です。ユーザー目線に立ち、どのような言葉であればクリック率を高めて集客できるか、十分に考えていきましょう。
リスティング広告の課金システム
前述したとおり、リスティング広告とは、費用を支払って検索結果にマッチする広告を出稿するものですが、課金システムとしては、以下の2つがあります。
順番に見ていきましょう。
クリック課金制
クリック課金制は、検索結果画面に表示された広告をユーザーがクリックするごとに、料金が発生する仕組みです。リスティング広告は出稿だけでコストがかかるイメージを持っている方も多くいますが、実は広告が表示されただけでは費用は発生しません。
「Pay Per Click(PPC)」とも呼ばれるクリック課金制の1クリック当たりの金額は、広告を出稿するサービスやジャンルなどによって大きく異なります。1クリック単価はGoogleのキーワードプランナーなどのツールで調べられ、1クリック単価にユーザーがクリックした回数をかけたものが、広告費となることを覚えておきましょう。
オークション制
広告の1クリック単価を決定する方法は、オークション制が採用されています。リスティング広告は登録したキーワードに対して入札単価を設定しますが、ユーザーが検索したタイミングでどの広告が上位に配信されるかは、競合の広告を並べたオークションによって決まります。
オークションで勝ち取った広告を基準として掲載順位が決定されるため、設定したクリック単価が低ければ掲載順位が下がり、集客にはつながりません。掲載順位を上げるために、特に競合の多いキーワードでは上位を勝ち取ろうと競争が激しくなるため、多くの広告費用が必要です。
コストのかかる方法ですが、逆にコストに糸目を付けない企業であれば、どのようなキーワードでも、検索結果の上位に広告が配置でき、集客に有利となるでしょう。
リスティング広告の掲載順位は広告ランクで決まる
リスティング広告は、前述した課金システムだけで掲載順位が決まるのではなく、最終的には以下の要素を掛け合わせた広告ランクによって決まります。
順番に見ていきましょう。
品質スコア
品質スコアとは、広告が検索したユーザーにとって有益なものであるかどうかを判断するもので、1〜10段階で評価されます。品質スコアを決定する要素は、以下のとおりです。
- 出稿キーワードと広告文が適切に関連しているか
- 推定されるクリック率
- ランディングページの内容とサイトのユーザビリティ
品質スコアが高くないと感じた場合、上記の内容を見直すことで、改善が図れて検索結果の上位に表示される場合があります。キーワード選定や広告文、リンク先のコンテンツ品質など、細かい部分までしっかりと確認しましょう。
品質スコアが低ければ、いつまで経っても集客にはつながりません。出稿費用を捻出しているのに望んだ効果が得られない場合、品質スコアを確認してみてください。
上限クリック単価
上限クリック単価は、前述した課金システムです。基本的にコストに糸目をつけず、入札金額を高くすれば上位表示しやすくなるといえるでしょう。
しかし上記で伝えた品質スコアが低かったり、この後紹介する広告表示オプションを利用しているかどうかといった要素が、広告ランクへ影響を与えます。上限クリック単価は十分に設定しているものの、今一つの結果となってしまう場合は、上限クリック単価以外の要素を見直してみてください。
広告表示オプション
広告表示オプションとは、リスティング広告のタイトルや広告文に加え、以下のような様々な情報を補足できる機能です。
取り扱うサービスや商材により有益なオプションは異なりますが、オプション機能ごとに訴求できるポイントやメリットに違いがあるため、闇雲に設定すればよいわけではありません。広告の効果を上げるため、自社の出稿する広告に合ったオプションを選択することが大切です。
リスティング広告の最低出稿金額と相場
リスティング広告にかかる金額は商品やサービスによって異なるため、相場は一概に言えません。一般的な金額となりますが、ここからは以下の2つについて見ていきましょう。
- リスティング広告の最低出稿金額
- リスティング広告の平均相場
あくまで目安にはなりますが、これからリスティング広告を考えている人にとっては、知っておくと出稿の際の目安になるため、ぜひ読んでみてください。
リスティング広告の最低出稿金額
リスティング広告の最低出稿金額は、1,000円です。1,000円以上であれば自由に出稿金額が決められ、低予算でも広告出稿ができますが、しっかりと効果を出すためにはある程度の費用を捻出したほうが効果があるでしょう。
前述しましたが、リスティング広告の費用はクリックされることで課金されるクリック課金制となっており、「クリック単価×クリック数」で広告費が決定します。クリック単価はオークションによって決まるため、競合が多いキーワードで広告を表示しようとする場合には、相応の金額が必要です。
低い単価で出稿したい場合、競合の少ないジャンルでの出稿が必要となり、キーワード選定などの戦略が必要となります。またリスティング広告を自社で行うのではなく、代理店などに依頼する場合、最低価格が決められている場合もあるため注意しましょう。
リスティング広告の平均相場
最低1,000円から出稿できるリスティング広告ですが、平均相場は20万円から50万円と言われています。ばらつきが見られるのは扱うサービスや商材によって費用が大きく異なるほか、月間5万円程度で広告を運用する個人から、数百万円で運用する企業まで、出稿者もさまざまであるためです。
相場を紹介しましたが、リスティング広告はジャンルだけでなく広告の配信地域、出稿企業の規模、利用シーンなどの設定もできます。基本的には設定した予算の範囲内で、運用して結果を出していくことを目的とすることが大切です。
リスティング広告で掲載費用以外に必要な費用
リスティング広告の費用について述べましたが、リスティング広告は掲載費用以外にも、以下のような費用がかかってきます。
順番に見ていきましょう。
運用代行費用(代理店手数料)
基本的に広告費のみで運用できるリスティング広告ですが、運用を代理店に依頼する場合、運用代行費用がかかります。数多くの広告を運用している場合、運用・管理を代理店に任せている企業も少なくありません。
一言に代理店の手数料といっても、以下の3つのタイプがあります。
定額型は広告費の予算が30万円以内であればいくら、50万円以内であればいくらというように、手数料が定額化されたタイプです。手数料率型は多くの代理店が採用しているタイプで、広告費に応じた割合で手数料が発生し、相場としては20%程度が一般的です。
成果報酬型は目標としているCV単価とCV数をかけ合わせた成果に応じて手数料が発生する形態で、それぞれメリットやデメリットがあるため、自社に合った手数料タイプを採用している代理店を選ぶようにしましょう。
ランディングページ制作費用
運用代行費用のほか、もうひとつ発生するのが、ランディングページ制作費用です。
ランディングページはLPとも呼ばれ、ユーザーが検索結果から広告経由で流入する受け皿となるWebページを指しています。
ランディングページは資料請求やお問い合わせなど、ユーザーに特定の行動を起こさせることを目的としており、ランディングページの質が広告成果に直結します。もちろん自社でランディングページの制作ができる人がいれば費用を抑えることもできますが、キーワードやターゲットによって準備しなければならない重要なページであるため、プロに任せる方が安心でしょう。
ランディングページの制作を依頼する際は値段はもちろん、個人か企業か、実績、作業範囲などを比較して選ぶようにしてください。
リスティング広告の費用を抑えるコツ
リスティング広告は細かく条件を設定できるため、うまく使いこなせば、広告の費用を抑えられます。具体的に以下の4つのコツを活用し、広告費用を抑えていきましょう。
- 除外キーワードを設定する
- マッチタイプを利用する
- 配信対象を限定する
- 広告ランクを上げる
順番に解説します。
除外キーワードを設定する
除外キーワードとは、特定のキーワードで検索された場合には、広告を表示させないようにする機能です。除外キーワードを設定すれば、広告配信にあたって、たとえば新規顧客をターゲットとしているのに既存顧客がクリックしてしまう事態などを防げます。
ターゲットと異なるユーザーのクリックを防げれば、広告費の抑制になるため、より成果が見込める検索キーワードへと費用をかけられるでしょう。
マッチタイプを利用する
リスティング広告のマッチタイプとは、広告を出稿する際に登録したキーワードと、ユーザーが実際に検索したキーワードの、どの部分まで広告を表示させるのかの範囲を決める設定です。設定できるマッチタイプは、以下のとおり大きく3つに分けられます。
完全一致とは、登録したキーワードと全く同じ意味の検索語句の場合にのみ広告が表示されるタイプです。たとえば「東京 おすすめ水族館」といった語句を設定した場合、「東京 おすすめ水族館」「おすすめ水族館 東京」など、語順の入れ違いがあったとしても、同じ検索語句の広告が表示されます。
部分一致とは、キーワードに設定した語句だけではなく、関連する語句でも広告が表示される設定です。「おすすめ水族館 東京」の場合、「東京 水族館 安い」「東京 水族館 デート」といった関連語句も表示される可能性が高く、一番幅広い検索キーワードで広告が表示されるタイプといえるでしょう。
フレーズ一致とは、登録した語句を含み、語順が同じ場合に表示されるタイプです。「東京 おすすめ水族館」の場合、「東京 おすすめ水族館 デート」など、語順を変えずに検索語句を含む広告が表示されます。
部分一致やフレーズ一致を有効としてしまうと、訪れるユーザーは多くても無駄なクリックを増やす結果となりかねません。出稿に慣れていない場合や、広告費の抑制を考える場合は、完全一致の設定を行っておくとよいでしょう。
配信対象を限定する
広告費用を抑制するには、配信対象を限定することも必要です。リスティング広告はキーワードの設定だけでなく、地域や時間、年齢、性別、使用デバイスなど、調整できる項目が多くあります。
自社で出稿する広告が、どの地域のどの時間で配信すれば、クリックされやすいか考えましょう。即効性の高いリスティング広告の特徴を活かし、さまざまな設定を試してみてください。
広告ランクを上げる
上記のほか、広告費の抑制となるコツは、広告ランクを上げることです。前述しましたが、広告ランクは品質スコアと上限クリック単価、広告表示オプションによって構成されます。
広告ランクを上げれば広告費用の抑制だけでなく、広告の掲載順位上昇も見込めます。キーワードと広告内容の関連性を高め、LPの利便性の改善、上限クリック単価の見直しを行い、オプションの設定を行ってみてください。
まとめ
リスティング広告の費用は狙っているキーワードによって異なり、最低1,000円から入札できますが、相場としては20万円から50万円程度です。リスティング広告の特徴やシステムを理解し、ぜひ集客に利用してみてください。
今回紹介した広告費用を抑えるコツや広告費のほかにもかかる費用を参考に、効果的に運用しましょう。